一級建築士の年収はいくら?約703万円は2019年の値

先に、答え。
一級建築士の年収は、統計に残る最後の値で約703万円です(2019年)。よく見る「約700万円」はこの値で、今は建築技術者の値(2025年で約679万円)で見ます(厚生労働省)。
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一級建築士の年収はいくら? 統計の最後の値と区分の変更
「一級建築士」の区分で年収が出ているのは、2019年までです。 当サイトが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査の原表(職種表)を年ごとに開いて確かめました。
- 2019年(令和元年)の表: 「一級建築士」の行があり、「建築技術者」の行はない(厚生労働省の原表)。
- 2020年(令和2年)の表: 「建築技術者」の行があり、「一級建築士」の行はない。2020年の特掲の職種の表にも、一級建築士の行はない(厚生労働省の原表)。
表1 一級建築士の年収: 「一級建築士」の区分があった2016〜2019年(万円)
| 年 | 企業規模計 | 1,000人 以上 | 100〜 999人 | 10〜 99人 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2016年 | 644 | 690 | 666 | 562 | 46.9歳 |
| 2017年 | 643 | 800 | 640 | 591 | 50.6歳 |
| 2018年 | 722 | 1,012 | 695 | 584 | 49.4歳 |
| 2019年 | 703 | 900 | 747 | 577 | 48.6歳 |
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」平成28年・平成29年・平成30年・令和元年 一般労働者 職種別第1表(職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額、産業計)。「一級建築士」の行・全国・男女計・企業規模別。各年6月分の給与と前年1年間の賞与。取得日 2026年9月28日。原表: 2016年・2017年・2018年・2019年(e-Stat)。
※年収の目安は「きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額」で編集部が計算し、万円未満を四捨五入しました(例: 2019年・企業規模計は461.8千円×12+1,487.2千円=7,028.8千円→約703万円)。残業代を含みます。
表1の一級建築士の値は、年ごとの動きが大きく出ています。企業規模計は、2016年と2017年が約643万〜約644万円でした。2018年は約722万円、2019年は約703万円です(表1)。
1,000人以上の会社は、約690万〜約1,012万円の間で動きました(表1)。
一級建築士の区分で推計された労働者の数は、年によって大きく違います。原表では、2016年の約3万8千人に対し、2017年は約2万人でした(厚生労働省 賃金構造基本統計調査 職種表)。
区分の小さい統計は、1年ごとの値がぶれやすいと考えられます。約703万円は、そうした4年のうち最後の1年の値です(表1)。
2020年からは、建築士は「建築技術者」に入ります。厚生労働省の業種別主な職種早見表では、建築士・建築設計監督技術者・建築現場監督・建設施行管理技術者が「建築技術者」です。建築技術者の年収の目安は、次のとおりです(表2)。
表2 一級建築士が入る「建築技術者」の年収: 区分が変わった2020〜2025年(万円)
| 年 | 企業規模計 | 1,000人 以上 | 100〜 999人 | 10〜 99人 | 平均年齢 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2020年 | 620 | 714 | 633 | 514 | 42.1歳 |
| 2021年 | 586 | 699 | 589 | 530 | 42.6歳 |
| 2022年 | 620 | 721 | 646 | 544 | 43.0歳 |
| 2023年 | 633 | 720 | 623 | 571 | 43.5歳 |
| 2024年 | 642 | 727 | 655 | 584 | 43.6歳 |
| 2025年 | 679 | 860 | 659 | 585 | 43.4歳 |
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和2年〜令和7年 一般労働者 職種 第1表(職種(小分類)、性別、産業計)。「建築技術者」の行・全国・男女計・企業規模別。各年6月分の給与と前年1年間の賞与。取得日 2026年9月23〜28日。原表: 2020年・2021年・2022年・2023年・2024年・2025年(e-Stat)。
※年収の目安は表1と同じ方法で編集部が計算(例: 2025年・企業規模計は456.2千円×12+1,316.1千円=6,790.5千円→約679万円)。
表2の企業規模計は、2021年の約586万円から2025年の約679万円まで、毎年上がりました(表2)。
1,000人以上の会社は、2020〜2024年に約699万〜約727万円でした。2025年は約860万円と大きく上がっています(表2)。1年だけ大きく動いた値なので、次の年の値も合わせて見る必要があります。
表1と表2の間で数字がつながらないのは、数えている人が違うためです。
- 2019年までの「一級建築士」: 一級建築士の仕事をしている人だけ。平均年齢は48.6歳(2019年、表1)。
- 2020年からの「建築技術者」: 一級・二級・木造の建築士に、建築の施工管理や現場監督の人も含む。平均年齢は43.4歳(2025年、表2)。
一級建築士の年収は、今どの数字で見ればいい?
2020年より後の一級建築士の年収は、建築技術者の値で、自分の年齢と勤め先の規模の欄を見るのが近道です(表2・表3)。 建築技術者の平均には資格のない人も入るので、一級建築士の年収はこの平均と同じとは限りません。それでも、同じ統計の中で「どの年齢・どの規模の会社か」で絞るほうが、平均の1つの数字より、自分に近い値を探せます。
数字を見るときは、次の3つを確かめてください。
- 何年の値か: 2019年以前なら「一級建築士」、2020年以降なら「建築技術者」の値です(表1・表2)。
- 残業代と賞与を含むか: この記事の年収の目安は、残業代(きまって支給する現金給与額に含まれる)と前年の賞与を含みます。
- 会社の規模の区分: 企業規模計(10人以上)、1,000人以上、100〜999人、10〜99人のどれかで、同じ年でも値が大きく違います(表2)。
一級建築士の年収は、年齢と会社の規模でどう変わる?
40代の建築技術者は、1,000人以上の会社で年収の目安が1,000万円を超えます。 同じ年代でも、10〜99人の会社との差は、25〜59歳で約257万〜約462万円ありました(表3の値どうしの差)。
表3 一級建築士が入る建築技術者の年齢別・会社の規模別の年収の目安(2025年、万円)
| 年齢 | 企業規模計 | 1,000人 以上 | 100〜 999人 | 10〜 99人 |
|---|---|---|---|---|
| 25〜29歳 | 551 | 701 | 510 | 444 |
| 30〜34歳 | 636 | 793 | 630 | 502 |
| 35〜39歳 | 710 | 901 | 751 | 568 |
| 40〜44歳 | 747 | 1,025 | 736 | 628 |
| 45〜49歳 | 765 | 1,016 | 820 | 651 |
| 50〜54歳 | 808 | 1,050 | 847 | 689 |
| 55〜59歳 | 880 | 1,165 | 844 | 703 |
| 60〜64歳 | 743 | 912 | 750 | 642 |
出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者 職種 第5表(職種(小分類)、年齢階級別)。建築技術者・全国・男女計・産業計・企業規模別。きまって支給する現金給与額は2025年6月分、年間賞与その他特別給与額は2024年1年間の額。取得日 2026年9月28日。
※年収の目安は表1と同じ方法で編集部が計算(例: 55〜59歳・1,000人以上は720.8千円×12+3,003.5千円=11,653.1千円→約1,165万円)。1,000人以上と10〜99人の差は、表の値どうしで25〜29歳が約257万円、55〜59歳が約462万円です(丸める前の値では約257万円・約463万円)。
表3から読めることは3つです。
- 年齢: 企業規模計では、25〜29歳の約551万円から55〜59歳の約880万円まで上がり、60〜64歳で約743万円に下がります(表3)。
- 勤め先の規模: 同じ年代なら、1,000人以上の会社が高く出ます。差は年代が上がるほど大きく、25〜29歳で約257万円、55〜59歳で約462万円でした(表3の値どうしの差)。
- 読み方の注意: 年代ごとに別の人の平均を並べた値で、同じ人が同じ会社で年を重ねたときの伸び方ではありません。
設計事務所と建設会社(ゼネコンなど)を分けた年収は、この統計では分かりません。建築技術者の値は、産業を分けない「産業計」だけが公表されているためです。
月の残業は、1,000人以上の会社で23時間、10〜99人の会社で10時間でした(2025年6月分)。出典は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査 職種 第1表です。
自分の年収が、同じ条件の建築技術者より上か下かは、次の記入用の表で確かめられます。
確認票 一級建築士の年収を、自分の条件の統計の値と比べる
| 確かめること | 自分の値(書き込む) | 比べる統計の値 |
|---|---|---|
| 年収(残業代と賞与を含む、額面) | 万円 | 建築技術者の平均 約679万円(表2) |
| 年齢 | 歳 | 同じ年代・同じ会社の規模の値(表3) |
| 会社の規模(従業員の数) | 人 | 1,000人以上 約860万円/10〜99人 約585万円(表2) |
| 男女 | 男性 約704万円/女性 約526万円(表5) |
出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2026年3月24日公表)一般労働者 職種 第1表・第5表(項目「建築技術者」)。全国・企業規模10人以上。取得日 2026年9月27〜28日。
※統計の値は表2・表3・表5と同じ(編集部の計算)。建築技術者は、一級・二級・木造の建築士と、施工管理・現場監督の人を含みます。
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一級建築士の年収は、二級・木造と違う? 設計できる建物の範囲
二級建築士・木造建築士だけの年収の統計はありません。 2019年までの職種表にあったのは、「一級建築士」の区分だけでした。2020年からは、一級・二級・木造がすべて建築技術者に入ります(厚生労働省 職種表)。
統計の代わりに、建築士法が決めている「その資格で設計・工事監理できる建物の範囲」を並べます。
表4 一級建築士の年収にかかわる、一級・二級・木造で設計できる建物の範囲(新築の場合)
| 資格 | 設計・工事監理できる建物(主なもの) | 根拠 |
|---|---|---|
| 一級建築士だけ | 延べ面積500㎡を超える学校・病院・劇場・百貨店など/鉄筋コンクリート造・鉄骨造などで、延べ面積300㎡を超えるか、高さ16mを超えるか、地階を除く階数が4以上のもの/木造で、高さ16mを超えるか、地階を除く階数が4以上のもの/延べ面積1,000㎡を超え2階以上のもの | 建築士法 第3条 |
| 一級・二級建築士 | 上の建物以外で、鉄筋コンクリート造・鉄骨造などの延べ面積30㎡を超えるもの/延べ面積100㎡(木造は300㎡)を超えるか3階以上のもの | 建築士法 第3条の2 |
| 一級・二級・木造建築士 | 上の建物以外の木造で、延べ面積100㎡を超えるもの | 建築士法 第3条の3 |
出典: 「建築士法」(e-Gov法令検索)第3条・第3条の2・第3条の3(項目「一級建築士でなければできない設計又は工事監理」ほか)。対象は全国の建物を新築する場合で、増築・改築・大規模の修繕などは、その部分を新築とみなして同じ範囲を当てはめます(第3条第2項)。取得日 2026年9月28日。
※高さの条件(16mを超える)と階数の条件(地階を除いて4階以上)は別々の条件で、どちらかに当たれば一級建築士の範囲です。4階建ては、高さ16m以下でも一級建築士の範囲に入ります。高さ16m・4階以上の線は、令和4年(2022年)公布の建築士法の改正で、それまでの「高さ13m又は軒の高さ9mを超える」から見直されたもので、今の条文はこの形です[出典1]。
※一級・二級の範囲の延べ面積は、都道府県が条例で別に定めることができます(第3条の2第3項)。
一級建築士でなければ設計・工事監理できないのは、大きな建物や、鉄筋コンクリート造・鉄骨造の中規模以上の建物です(表4)。こうした建物を手がける会社で働くかは、表3の勤め先の規模の差とも関係していると考えられます。これは統計で確かめたものではなく、編集部の見立てです。
条件ごとの考え方は次のとおりです。
- 二級建築士で、住宅や小さな建物を中心に設計している: 今の仕事の範囲は二級で足ります。移る先を比べるときは、表3の同じ年代・同じ会社の規模の欄を物差しにして、提示される額を確かめてください(表3は集団の平均で、転職した人の年収の前後の変化ではありません)。
- 一級建築士で、大きな建物の設計・監理をしていない: 一級の範囲の仕事(表4)を任せる会社かどうかで、資格が年収に効く場面が変わります。
- 施工管理や現場監督として働く建築士: 年収は建築技術者の値(表3)が近く、施工管理技士の資格や任される現場の大きさでも変わります。1級建築施工管理技士の年収も見てください。
一級建築士の年収は、男女でどれだけ違う?
2025年の建築技術者の年収の目安は、男性が約704万円、女性が約526万円でした。 ただし女性は、平均年齢が36.8歳で男性の44.5歳より8歳ほど若く、平均勤続年数も8.1年と短めです。そのため、差のすべてが男女の差とは言えません(表5)。
表5 一級建築士の年収: 男女別の年収の目安と平均年齢・勤続年数
| 区分 | 年収の目安 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
|---|---|---|---|
| 2025年 建築技術者・男 | 約704万円 | 44.5歳 | 13.7年 |
| 2025年 建築技術者・女 | 約526万円 | 36.8歳 | 8.1年 |
| 2019年 一級建築士・男 | 約718万円 | 49.6歳 | 14.2年 |
| 2019年 一級建築士・女 | 約608万円 | 42.4歳 | 8.6年 |
出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表(男・女のシート)、「令和元年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種別第1表(男・女の行)。全国・産業計・企業規模計(10人以上)。取得日 2026年9月28日。
※年収の目安は表1と同じ方法で編集部が計算(例: 2025年・女は362.1千円×12+916.0千円=5,261.2千円→約526万円)。
同じ年代・同じ会社の規模どうしで男女を比べた値は、この記事で使った表からは出せません。女性の建築士が年収を比べるときは、表3の年齢と会社の規模の欄で、自分に近いところを見てください。
一級建築士の年収に、資格手当はどれだけ効く?
一級建築士だけの資格手当の統計はありません。 資格の種類を問わず合算した技能手当・技術(資格)手当の平均は、次のとおりです。支給された人の平均で、出典は厚生労働省の就労条件総合調査(令和7年、2024年11月分)です。
- 建設業: 月1.52万円(年に直すと約18万円、就労条件総合調査)
- 設計事務所を含む「学術研究,専門・技術サービス業」: 月2.25万円(年に直すと約27万円、就労条件総合調査)
年に直した額は、編集部の計算です。
表3の勤め先の規模による差(同じ年代で約257万〜約462万円)は、一級建築士を持つ人と持たない人を合わせた平均の差で、資格の有無で分けた差はこの統計では測れません。一級建築士の手当の額は会社で違い、統計では分かりません。応募先の求人票と面談で、手当の額と、基本給に含まれていないかを確かめてください。
産業ごとの手当の出方は、建築士の転職に表でまとめています。一級建築士は、2025年4月1日時点で383,923人が登録しています(日本建築士会連合会 建築士登録状況)。
一級建築士の年収を上げる転職は、どこに相談する?
年収を比べるときは、統計の値(表3)を物差しにして、応募先から提示される額の中身を確かめます。 建築の設計や施工管理に絞ったサービスなら、一級を持っているか、どの規模の建物を担当してきたかの話が通じやすくなります。下の表は順位ではなく、公式サイトの情報を並べたものです。
表6 一級建築士の年収を上げる転職で使えるサービス(公式情報のみ)
公式情報の確認日:2026年9月23日。掲載の方針
建築転職
- 対象工種
- 建築・設備・電気の施工管理、設計・積算(土木の専用区分なし。紹介できるかは要確認)
- 面談
- オンライン可
- 確認事項
- 希望する職種が対象か
建築転職の対象・出典を確認
設計・施工管理などの建設系技術者。年齢制限は設けていないと記載
建築施工管理・設備施工管理(空調・給排水)・電気施工管理・施工図/設計・積算(土木の区分はなし)。全国の求人を紹介できると記載
オンライン面談もできると記載(対面は公式に記載なし)
無料の登録 → 求人紹介、書類の書き方のアドバイス、面接対策、企業との交渉
株式会社トップリフォーム/許可 13-ユ-313467
施工管理の求人検索の件数 5,252件(サイト上の表示。時点の注記なし。取得日 2026年9月23日)
土木の施工管理の求人を探している人(希望職種の選択肢に土木の区分がない。紹介できるかは登録のときに確認)

ガウディキャリア
- 対象工種
- 建築施工管理・設計・内装・修繕・不動産開発
- 面談
- 形式は未記載。電話・LINE窓口あり
- 確認事項
- 書類添削・面接対策の支援範囲
ガウディキャリアの対象・出典を確認
建築設計・施工管理の経験者
建築施工管理・内装・修繕営繕・建築設計・工事監理・不動産開発・CM。対応地域は公式に記載なし(希望勤務地の選択肢は東京・大阪・愛知・福岡・その他)
形式は公式に記載なし(電話とLINEの相談窓口がある)
無料の転職相談 → 非公開求人の提案
株式会社Wheels Up/許可 14-ユ-301559
公式に記載なし(時点の注記がある数値の掲載なし)
土木・電気・管の求人を探している人(扱う職種に記載がない)
出典:ガウディキャリア公式 / ガウディキャリア公式。取得日 2026年9月23日
申し込む前に、希望する職種・地域の求人を紹介してもらえるかをご確認ください。
ほかのサービスも含めた25サービスを同じ項目で並べた表は、施工管理・建築の転職エージェントの比較にあります。設計を続けるか、設計の外に出るかで行き先を考えたい人は、建築士の転職から読むと順番がつかみやすくなります。
面談では、次の3つを聞くと、提示される年収の中身が分かります。
- 「提示の年収のうち、残業代はいくらを見込んでいますか。」(表1〜表3の年収は残業代を含みます)
- 「一級建築士の手当は月いくらですか。基本給に含まれていませんか。」
- 「どの規模・構造の建物の設計(監理)を任せる予定ですか。」(表4の範囲で、一級が必要な仕事かどうか)
一級建築士の年収でよくある質問
一級建築士の平均年収はいくらですか?
「一級建築士」の区分で年収が出ているのは、厚生労働省の賃金構造基本統計調査の2019年(令和元年)までです。2019年の年収の目安は約703万円(きまって支給する現金給与額46.18万円×12+年間賞与148.72万円、企業規模10人以上、男女計)でした(職種別第1表から編集部が計算)。2020年からは建築士は「建築技術者」に入り、2025年の建築技術者の年収の目安は約679万円です(令和7年 職種 第1表)。
一級建築士の年収として見かける約703万円は、今の値ですか?
いいえ。約703万円は2019年の「一級建築士」の区分の値です。2020年から区分が変わり、今は一級建築士だけの年収は公表されていません。2019年の値と、2020年以降の建築技術者の値は、数えている人の範囲が違うので、そのまま比べられません。
二級建築士や木造建築士の年収は、統計で分かりますか?
分かりません。2019年までの職種表にあったのは「一級建築士」の区分だけで、二級建築士・木造建築士の区分はありません。2020年からは、一級・二級・木造を合わせて「建築技術者」に入ります(厚生労働省 業種別主な職種早見表)。
一級建築士の年収は、何歳でいちばん高くなりますか?
2025年の建築技術者では、55〜59歳の約880万円がもっとも高く、60〜64歳で約743万円に下がります(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 職種 第5表から編集部が計算、企業規模10人以上・男女計)。1,000人以上の会社では55〜59歳が約1,165万円でした。
一級建築士の資格手当は、いくらですか?
一級建築士だけの手当の統計はありません。資格の種類を問わず合算した技能手当・技術(資格)手当は、支給された人の平均が建設業で月1.52万円、設計事務所を含む「学術研究,専門・技術サービス業」で月2.25万円でした(厚生労働省 就労条件総合調査 令和7年、2024年11月分)。
建築士の給料は、月にいくらですか?
建築士だけの給料の統計は、2020年からありません。建築士が入る職種「建築技術者」の2025年6月分のきまって支給する現金給与額は月45.62万円で、うち所定内給与額は月40.75万円でした。年間賞与その他特別給与額は131.61万円です(厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 職種 第1表。企業規模10人以上、男女計)。
この記事の根拠・統計で分からないこと
結論の根拠を確認する
- 区分が変わった: 厚生労働省の賃金構造基本統計調査は、2019年まで「一級建築士」の区分で年収を出していました。2020年からは、一級・二級・木造の建築士や建築の施工管理の人を合わせた「建築技術者」になりました(同調査の2019年・2020年の職種表)。
- 2019年と2025年は別のものを測っている: 2019年の約703万円は一級建築士だけ、2025年の約679万円は建築技術者全体の値です。古い区分の値が、今年の一級建築士の年収として使われていることがあるので、数字の年と区分を確かめてください。
- 勤め先で差が大きい: 2025年の建築技術者の年収の目安は、1,000人以上の会社で約860万円、10〜99人の会社で約585万円です(同調査 2025年から編集部が計算)。
この記事で分かること・分からないこと
- (国土交通省住宅局「改正建築基準法について」36ページ「建築基準法改正に伴う二級建築士の業務独占範囲の見直し」)
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この記事の編集
建設のしごと選び 編集部(編集・ファクトチェック)
厚生労働省・国土交通省の公表資料と各社の公式情報をもとに記事を作っています。編集部には施工管理の実務経験者はいません。そのため、編集部の体験談は載せていません。
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」平成28年〜令和元年 職種別第1表、令和2年〜令和7年 職種 第1表、令和2年 職種(特掲)第7表、令和7年 職種 第5表、業種別主な職種早見表、「就労条件総合調査」令和7年、建築士法、日本建築士会連合会「建築士登録状況」、各社の公式サイト(取得日 2026年9月23〜28日)
- 数値の時点
- 賃金構造基本統計調査 2016〜2025年(各年6月分の給与と前年の賞与)、手当は2024年11月分
- ファクトチェック
- 2026年9月28日(出典19件。2026年9月28日に取得した2016〜2025年の職種表の原表(Excel)10年分と法令本文で全数字を照合し、年収の目安は原表から計算し直した(式は各表の注記)。区分の変更は、2019年の表に「一級建築士」があり「建築技術者」がないこと、2020年の職種表と特掲の表に「建築技術者」があり「一級建築士」がないことで確かめた。出典18件。2026年9月30日に、監査で指摘された表4の一級建築士の範囲(高さと階数の条件)を、建築士法 第3条の現行の条文(e-Gov法令検索)と国土交通省の改正の説明資料で確かめ直した。)
- 使用データの最新版
- 賃金構造基本統計調査 2025年(2026年3月24日公表)/同 2016〜2024年(推移の比較用)/就労条件総合調査 令和7年
- 次回更新の目安
- 賃金構造基本統計調査: 例年3月/各社の情報: 3か月ごとに公式ページを再確認
編集履歴
- 2026年9月28日: 公開(賃金構造基本統計調査 2016〜2025年で作成)
- 2026年9月28日: 共通の語(D-036)の受け先として、FAQ「建築士の給料は、月にいくらですか?」を追加
- 2026年9月29日: 題名・説明文・答えの1文目を、読者の疑問に合わせて直した(決定 D-043。主キーワードを先頭に、答えの芯を1つ)
- 2026年9月29日: 題名を「問い+答えの芯」の形に、答えを120字以内に、答えの下に「この記事で分かること」と相談先の欄へのつなぎを置いた(決定 D-044・D-045)
- 2026年9月30日: 内容の監査の指摘を受けて、表4の一級建築士だけが設計・工事監理できる建物の条件を直した(「延べ面積300㎡、高さ16m、地上4階のいずれかを超える」→「延べ面積300㎡を超えるか、高さ16mを超えるか、地階を除く階数が4以上」。4階建ては一級の範囲に入る。建築士法 第3条の現行の条文による)。あわせて、資格手当の節の「資格手当は、年収の差の大きな部分ではありません」を「一級建築士だけの資格手当の統計はありません」に、表3の規模の差と手当を比べた文に「資格の有無で分けた差はこの統計では測れない」を加え、二級建築士の条件の「移る先を比べるほうが、統計で確かめられる差があります」を、表3を物差しにして提示額を確かめる書き方に直した(監査の共通の指摘による)
- 2026年9月30日: 題名を「一級建築士の年収はいくら?約703万円は2019年の値」に直した(統計に残る最後の値と、その年を題名で示す)
出典一覧(19件)
- 厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 職種別第1表 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)
- 厚生労働省「平成29年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 職種別第1表 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)
- 厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 職種別第1表 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat)
- 厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(e-Stat、2020年9月15日公開)
- 厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表 職種(小分類)別(e-Stat、2021年5月21日公開)
- 厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種(特掲)、性、年齢階級別(e-Stat、2022年2月4日公開)
- 厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表 職種(小分類)別(e-Stat)
- 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表 職種(小分類)別(e-Stat)
- 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表 職種(小分類)別(e-Stat)
- 厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」一般労働者 職種 第1表 職種(小分類)別(e-Stat)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第1表(e-Stat、2026年3月24日公表)
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種 第5表 職種(小分類)、年齢階級別(e-Stat、2026年3月24日公表)
- 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 業種別主な職種早見表」
- 厚生労働省「令和7年就労条件総合調査」賃金制度 第26表・第27表(産業別の手当、2024年11月分。e-Stat 2026年3月13日公開)
- 建築士法 第3条・第5条の2・第22条の2・第24条、建築士法施行規則 第8条・第17条の36・第17条の37(e-Gov法令検索)
- 公益社団法人 日本建築士会連合会 登録部「令和7年度 建築士登録状況(令和7年4月1日現在)」(一級建築士・構造設計一級建築士・設備設計一級建築士の登録者数)
- 建築転職 公式サイト・FAQ
- ガウディキャリア 公式サイト
- 国土交通省住宅局「改正建築基準法について」(令和4年改正の説明資料。建築士の業務独占の範囲の見直し p.36〜37)